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Feel the signs of spring****節分****
節分という言葉には「季節を分ける」という意味があるので、暦の上で春が始まる日を「立春」(2月4日ごろ)と呼びます。
そのため、春が始まる前の日、つまり冬と春を分ける日だけを節分と呼ぶようになったんだそうです。昔の日本では、春は一年のはじまりとされ、特に大切にされたそうです。冬を越せた喜びも大きかったと思います。
蝋梅が甘い香りを漂わせ、紅梅も鮮やかな彩を見せてくれています。植物の世界も『春』へと確実に移ろっていますが・・・。でも、まだまだ雪は残っているし、本当にこの寒さは植物たちにとってもストレスかもしれません。
木枯らし吹きすさぶ中、動物のように自ら移動することのできない植物たちが、どのように冬を越しているのか不思議に思う事はございませんか?
樹木の冬越しには葉を全て落とす『落葉樹』と葉を落とさない『常緑樹』があるとお話しましたが、何れの樹木もそれぞれやはり、寒さには弱いのです。
夏のあいだはさかんに生長しますが、冬になると落葉樹は葉を落とし、まる裸になる事で命をつなぎます。
葉の落ちない常緑樹でも生長をやめ、眠ったようになって冬を越します。
冬は両者異なる姿になりますが、両者とも『命を守るため』の戦略です。
なぜ落葉樹は、冬になると葉を落とすのか…?
それは、冬のあいだは、養分や水分をとることができないので無駄な養分や水分を使わないようにするためです。
秋になると、葉の柄のつけねに離層(というものができます。葉が落ちたあとは、この離層がふたのように傷口をふさぎます。
光不足などで光合成が活発にされなくなり、枯れはじめると、アブシシン酸などの植物ホルモンによって老化が進行し、その葉のタンパク質が分解されていきます。
葉の老化がある程度進むと、葉の根本のほうで『離層』いう特殊な細胞層が作られるのだそうです。
こうして、体には糖分や脂肪をたくさんたくわえ寒さに負けない強い体になるのです。
常緑樹でも、冬の寒さにたえるために夏から秋にかけて糖分や脂肪をたくさんたくわえています。常緑樹の葉は厚みがあり、ロウ質で覆われていることにより、冬の寒さと乾燥に耐える事が出来ます。
葉の細胞が凍ると細胞は死滅してしまいます。ですので、常緑樹・針葉樹は葉の細胞が凍結しないような仕組みを持っています。
それぞれに命を守る方法が異なりますが、葉の落ちた森を歩くと植物たちの冬越しの知恵を知ることが出来ます。吐く息は白く、キンと冷えた山の空気は冷たいけれど、やがて春はやってきます。
皆さん、雪の被害はありませんでしたか。まだまだ寒い日が続きますが、
どうぞお気をつけください。雪に負けずに元気で過ごしましょう!
Chinatsu★ Watabfe